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〜伴走支援を通じてPDCAサイクルの仕組みを社内に定着〜

ツバメロジス株式会社(新潟県燕市 運送業 従業員数130名 資本金1,100万円)

当社の過去の経験から、「コンサルタント」に対する不信感があったなかで、丁寧なコミュニケーションや「経営者と一緒に考えていく」という姿勢を通じて、信頼関係を構築していった。また、経営陣だけでなく、現場レベルの声もしっかりととらえ、会社のレベル感にあった施策を提案するとともに、計画策定後のPDCAサイクルの実施部分まで伴走することで、支援終了後もその仕組みが社内に定着し、経営と現場が相互にコミュニケーションを取りながら、自律的に取組を行う組織へと変革を遂げた。


本事例のポイント

【信頼関係の構築】
 当社は外部コンサルを使用した際、過去にコンサルから、「運賃を上げるべき」といった、会社や業界の実情を無視したような解決策を押し付けられた経験があり、当初コンサル一般に対してあまり良い印象を持っていなかった。そのため、支援開始早期から、正式な会議体だけでなく、ランチミーティング等も提案し、関係者とのコミュニケーションの場を積極的に作るとともに、フランクな自己紹介を心掛けた。こうした過程で、支援者の一人が、常務(支援当時。現社長)と共通の知り合いを持っているといった点も明らかになるなど、お互いを深く知ることに繋がった。

【現場レベルの声も捉えた課題設定】
また、当社と過去に付き合いのあったコンサルは、経営層にしか話を聞かなかった点が問題点として挙げられたなか、支援の中で経営層、ミドルマネジメント、現場レベルそれぞれに対してヒアリングやアンケートを通じて声を捉え、現場のリアルな課題感を踏まえた対話に臨むことにより、納得感のある課題設定に繋がった。また、現場の状況も踏まえることで、会社のレベル感に即した提案を行い、現場レベルでも実行可能な取組に落とし込むことに繋がった。

当社の背景

当社は燕地域の鋼材の輸送を中心に、穀類、食品、雑貨、精密機器等の幅広い品目を取り扱う物流企業であり、運送業を中核に、倉庫、通関、検品、海外展開と事業の多角化を進めている。近年には地域未来牽引企業に選定され、地場企業の輸出入の窓口としての役割を担っている。他方、総務部門、経理部門が設けられておらず、各事業間の連携や収益管理が十分に図られていない状況にあった。

支援の流れ

【「コンサルタント」に対する不信感の払拭を図る】
「以前、外部のコンサルを使ったことはある。ただその時は『運賃を上げるべき』ということしか言われなかった。解決策を半ば押し付けられたような形だった。この伴走支援はどう違うのか?」
伴走支援の説明のために初回訪問を行った際の、社長(当時)の発言である。コンサル一般に対し、あまり良い印象を持っていない様子であった。
一方で、同席した幹部陣からは、「経営者だけでなく従業員の声も聞いてくれるのか?それは有難い」、「経営層から従業員へ想いを伝えられていない部分でコンサルを活用したい」といった趣旨の発言もあり、組織マネジメントに関する支援へ期待感も感じられた。
そのため、支援に臨むに際しては、まずコンサルタントに対する会社側の不信感・不安感を取り除くことに注力した。そのため、支援開始早期から、正式な会議体だけでなく、ランチミーティング等も提案し、関係者とのコミュニケーションの場を積極的に作るとともに、フランクな自己紹介を心掛けた。こうした過程で、支援者の一人が、常務(支援当時。現社長)と共通の知り合いを持っているといった点も明らかになるなど、お互いを深く知ることに繋がった。
また、支援の中で経営層、ミドルマネジメント、現場レベルそれぞれに対してヒアリングやアンケートを通じて声を捉えるとともに、外からの押し付けではなく、「経営者と『一緒に考えていく』」という姿勢を重視した。

【現場までの幅広いヒアリングを通じて課題を深掘る】
支援者は、経営陣と現場からのヒアリングを通じて、それぞれ立場からの考えの違いを捉えていった。社長や常務(いずれも当時)は、現場に対して「計画立てて行動してくれない、引継ぎがない、人材として育ってくれない」といった課題感を持つ一方、現場レベルからは、「経営陣が何をしているのかが見えない、急に仕事が振られるので仕事を段取れない」といった反発の声も上がっていた。経営陣と現場の意見の相違が一見課題として見られたが、対立を対立として捉えてしまっては、建設的な提案にはつながらない。また、発言者個人に対する批判に繋げてもいけない。そのため、支援者は、この対立の根本原因としてさらに深掘っていった結果、業務が属人化しており、そのために組織として定量的・客観的情報の共有に至れていない点に注目した。ここから、まずは、基本的な情報の共有、すなわち自分たちで発見し、情報を作成し、共有することが必要だと仮説を立てた。

【課題を階層化し、当社の実行レベルに合わせた取組を提案】
上記の仮説のもと、ヒアリングを通じて捉えられた課題を、経営層から現場レベルまでの複数レイヤーに階層化した。例えば、最も現場に近いレイヤーとして、各部・各業務のマニュアル化を通じた「業務の見える化」を設定し、誰が休んでも引き継ぎができるような状況を作る。その次に、各部の「原価管理を精緻化」を図り、各部・案件ごとの赤字要因を分析できるようにすることで、定量的・客観的データに基づいた意思決定が行えるようにする。そのうえで、順次、組織体制の見直しや事業計画、全体戦略といった経営マターでの取組に繋げていくような提案を行った。
また、具体の取組みについても、支援者側からフォーマットを提供し、また、最初から完璧な運用を目指さず、簡単なところから手をつけて、修正を加えていくことの重要性を強調し、現場レベルに「やらされ感」が生じないよう留意した。
こうした現場レベルでの取組から順次取組のレベルを上げ、2019年8月から2020年12月までの約2年弱をかけ、全社戦略(中期事業計画)の策定から行動計画の落とし込みに至るまでの支援を行った。行動計画のPDCA実施状況についても3か月にわたって伴走を行い、PDCAサイクルの回し方についても身についたと確認できた時点で、伴走支援としての終着とした。

伴走支援の効果

中期計画に基づき、幹部社員が進捗計画を策定し、行動計画に落とし込む一連のプロセスまでの伴走を通じて、PDCAサイクルの回し方の仕組みが定着した。支援終了後も、この仕組みは継続して運用されている。また、組織の面でも、2020年より新たに管理本部を設け、総務・人事・管理機能を集約させることで、マネジメント機能の強化が図られている。利益率の見える化も進み、価格設定のパーセンテージや注力すべき案件について、客観的な指標に基づいて意思決定が行えるようになった。経営陣と現場の有機的な連携の下、自律的に取組を行う組織へと変革を遂げている。
伴走支援前は数値管理をしておらず、単に来期は5%UPでというだけの曖昧な基準で予算を組んでいたが、伴走支援後は原価率から粗利率、営利目標値まで設定し、且つ曖昧だった共通経費(本社経費や、トラック経費、設備経費など)を人数割で各部門に配分し、本社経費を各部門経費に算入して予算を組めるようになった。また年間のどこのタイミングでお金が必要かなどCFの読み解きも経理部門に教えてもらった事により、外注(会計会社)に出していた経費を内製化でき年間100万円以上が削減できた。
伴走支援により社員のミッションが出来ただけでなく、数字で考えるようになった事で不必要な投資を必要な部門へ投資できるようになり、全体の70%の売上を持っていた輸送部門を50%に下げ、他部門を上げて更に全体の売上も20%増達成する事ができた。

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