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~ドッグランカフェの若手後継者との対話による伴走支援~

Dogrun&cafe 1wan(岐阜県輪之内町 飲食サービス業)

岐阜県輪之内町で初のドッグラン施設となるDogrun&cafe 1wan(ドッグランアンドカフェワン)は、愛犬家待望のスポットとしてオープン以来人気を集めている。揖斐川の堤防に面した開放感満点のドッグランは、温水シャワーも完備するなど設備も充実。若手後継者は今後さらなる事業の発展に意欲を示しており、支援チームは事業者の想いを尊重しながら傾聴と対話を重ね、イメージやアイデアを具体化することで実現に繋げていった。


本事例のポイント

【ローカルベンチマーク活用による課題設定】

企業の健康診断ツールであるローカルベンチマークによって「現状認識」「将来目標」について整理し、それらを踏まえ「課題」と「対応策」を共有した。現状、創業後3年目の発展途上にあるが、後継者が事業発展に積極的であり、地元企業とコラボしながら商品企画するなど意欲的に取り組んでいる。将来目標は「安定した売上・利益の確保」と「財務管理による経営体制の確立」だが、「将来ビジョンを確立できていない」ことや「財務管理が出来ていない」ことなどが課題としてあげられた。対応策として「毎月の売上・利益確認のため毎月試算表の作成」と「売上・仕入の構成要素群ごとに数値を把握し、数値に対し毎月検証を行う」ことが決まり、課題に応じた支援を実施していくこととした。

【将来ビジョンを確立するための知的資産経営報告書策定支援】

当協会の支援メニューである「知的資産経営報告書策定支援事業」により、専門家の指導のもと経営者および後継者と共に自社の強みや持ち味を生かした知的資産経営報告書を策定。報告書の内容に組み込まれている「5年間のアクションプラン」を立てることによって課題にアプローチした。今後5年間において「いつ」「何をするか」を明確化することで、将来ビジョンを確立。また、SDGsに関連した将来ビジョンについても併せて検討し、それらをもとに今後5年間のKPI(数値目標)を立案した。

当社の背景

「24時間、愛犬と共にいたい」「共に過ごせる場所・環境を多くの人に提供したい」との想いから、2021年5月にカフェ併設のドッグランをオープン。いつでも、どこでも「wanちゃんと一緒」をテーマに、経営者の母と後継者の娘が母娘で営業している。また、犬と人間のどちらも食べることができる地域の食材を使った「1wanヌードル」や「犬用のお香」を、地元企業と共に企画し販売。後継者の事業意欲が強く行動するパワーもあり、今後更なる事業展開を模索していた。

支援の流れ

【財務管理を行うための財務把握支援ツールの提供】

POSレジにより売上データは保有しているものの、有効に活用がなされておらず、財務については全く把握されていない状況であった。支援策として、「月ごとに集計できる試算表」と「商品サービス構成要素群ごとの売上・仕入数値確認表」を、当協会にてEXCELデータを作成し提供。これにより、商品やサービスごとの売上・仕入および利益率の把握が可能になり、「花形となる商品は何か」逆に「負担となっている商品は何か」などの検討ができるようになった。ツールを活用し、今後も財務把握および改善を検討していくことが重要であることを伝え、その理解を深めてもらった。

【新商品の犬用おやつや犬用コスチュームの販売支援】

来店客に犬用のおやつを提供し売上増加を図りたいと考えていたことから、国内最高水準の処理加工技術をもつ県内のジビエ業者を紹介。安心安全で高品質なジビエ鹿肉ジャーキーを安定的に仕入れることが可能となり、販売を開始した。また、後継者が以前縫製業に勤めていた強みを活かし、犬用の服を製作し販売していくことも決定。撥水加工を施した地元尾州産の素材や、紫外線により色が変わる特殊生地を使用することとし、尾州生地を扱う企業を紹介し制作および販売開始に繋げた。

【アトツギ甲子園エントリーシート策定支援】

知的資産経営報告書の策定支援をしていく中で、「新しいことを実現したい」という強い思いを後継者が持っていると感じ、アイデアをプレゼンする場としてアトツギ甲子園を奨めエントリーを行った。エントリーシート作成については、事業成長のために企業の知的財産の側面から支援を行うINPIT(インピット)の窓口機能強化事業を紹介。経営者及び後継者、支援チーム、専門家、INPIT担当者と多くのメンバーが結集し、多様な視点から協議を繰り返し新事業の内容を更に具体化させた。アトツギ甲子園に関するアイデア実現化のため支援チームが県内企業に声掛けを行い、共同で企画および製作が進行。また、新商品完成後、当店の全商品をブランド化して販売していくことを想定し、INPITの商標登録支援を活用し商標登録の申請を行った。

伴走支援の効果

まだ創業期の当店が現状を再確認し今後の目標を明確にすることは必要不可欠であり、将来ビジョンが明確化できたことは大きな効果と考える。また、経営者および後継者と共に知的資産経営報告書を作成したことで、支援チームと事業価値の共有がなされたことも支援の効果を高めた。アトツギ甲子園へのエントリーを通してビジネスアイデアについても深堀りができ、ビジョン実現に向けて迅速に動き出すことができている。現在までの支援を通じて、事業者が考える「なんとなく」を具体化し、より実現可能な形を組み立てていくことで事業に対するモチベーションも上がっていったと感じる。
今後も支援を継続する方針であり、来年度においては当店と岐阜聖徳学園大学を繋ぎ、販路開拓や商品PRを共に考えていく。新商品が完成した際は当協会の支援サービス「女性モニター支援」によって商品のモニター調査を実施し、モニターの意見を参考にしながら商品をより良いものにブラッシュアップしていけるよう伴走を続けていく。

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