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~健康美容関連サービス業の立ち上げにおける伴走支援~

大阪府 サービス業 従業員数0名 資本金300万円

これまでBtoBを中心にイベント業などを展開してきた当社は、新たにBtoC事業として健康美容関連サービス業への参入を計画。しかし、健康美容関連サービスの事業活動や広告活動では各種関連する法令への理解が不可欠であり、またBtoC取引に際しても注意するべき法令があることから、支援者は弁護士という専門家の立場で代表者と共に法律に適った新規ビジネスの可能性を検討した。


本事例のポイント

【新規事業の目的や想いを共有】

代表者の納得を得られるまで傾聴と対話を繰り返した。代表者自身が年齢とともに女性特有の心身の変化を感じるようになり、自分と同じ不安や悩みを抱える女性に向けたサービスを計画した経緯などを聞くことで、新規事業への想いや目的を共有した。

【適法性の確保だけでなく、ビジネスの可能性も検討】

新規事業の立ち上げに当たっては、ビジネスの可能性を制約することなく、法規制や顧客トラブル等の法的リスクに対して適切な措置を講じることを課題に掲げ、顧客から見たサービスの魅力が損なわれることなく、代表者の想い描く理想が実現できるように検討を進めた。

当社の背景

当社は、企業向けにイベント業などの複数の事業を行っている。代表者が女性独自の心身の不調を感じる世代となり、新規事業として一般消費者向けの健康美容関連事業を立ち上げることにした。しかし、健康美容関連サービス業の事業経験はなく、また人の身体に対する施術を伴う点で、法規制への抵触や顧客トラブル等の法的リスクに不安を感じていた。

支援の流れ

【傾聴と顧客体験で新規事業への理解を深める】

当社の代表者とは友人を介した紹介により知り合い、新規事業を開始する際に必要な契約書類の作成の依頼を受けた。しかし、新規事業の内容が当社の既存事業と関連せず、健康美容関連事業の経験やノウハウもないとのことであったので、事業目的や想いを傾聴し、検討中のサービスを顧客として実際に体験するなど、事業内容の理解に努めた。

【BtoC事業に向けた法的支援と広告表現のリーガルチェック】

代表者は当初、女性独自の心身の不調を改善することを目的とした新規事業を希望していたが、医師法・薬機法等の法的規制を踏まえ、適法に実施できること、できないことを整理した。また、当社の既存事業はBtoBが中心であったため、特定商取引法や消費者契約法等、一般消費者とのBtoC取引に際して注意すべき法令を踏まえ、事業に必要な契約書類を作成した。さらに、代表者が発注していた広告媒体の表現も心身の不調改善を強調した内容であったため、広告表現についてリーガルチェックを実施した。

【健康美容関連事業を取り巻く法規制についての助言】

しかし、一連の過程で、新規事業の適法性を重視するあまり、顧客からみた新規事業の魅力が低下し、ビジネスとしての可能性が制約されることへの懸念が代表者から示された。このため代表者の当初の想いに立ち返り、新規事業の目的や内容を再検討。傾聴と対話を繰り返す中で、代表者は、健康美容関連事業を取り巻く法規制について理解を深めるに至り、新規事業の目的や内容を見直し、法規制等に抵触しないよう契約内容や広告表現を修正した。

伴走支援の効果

契約書作成やリーガルチェックの実施だけでなく、代表者の想いを傾聴し、実際に検討中のサービスを体験するなど、代表者が希望する新規事業を理解しようと努めた。これにより、事業内容の検討、契約書類の作成、広告表現のリーガルチェックに際し、適法性の確保とビジネスの可能性について代表者と踏み込んだ対話をすることができた。これらの過程で、当初は心身の不調改善という効果効能にこだわっていた代表者が、法規制を理解して腹落ちし、新規事業の目的や内容を見直すという自己変革に繋がった。

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